元祖yajiri

元祖と本家で係争中

74 - エクスマキナ

エクス・マキナ(2015・英国/アレックス・ガーランド監督・脚本)

☆☆・・・

http://www.exmachina-movie.jp/

人間か、
人工知能か――
検索エンジンで有名な世界最大のインターネット会社“ブルーブック”でプログラマーとして働くケイレブは、巨万の富を築きながらも普段は滅多に姿を現さない社長のネイサンが所有する山間の別荘に1週間滞在するチャンスを得る。
しかし、人里離れたその地に到着したケイレブを待っていたのは、美しい女性型ロボット“エヴァ”に搭載された世界初の実用レベルとなる人工知能のテストに協力するという、興味深くも不可思議な実験だった・・・。

 期待していた方向性と全く違う面白さを提供されたため、私的には低評価。

望んでいたものとしては長谷敏司BEATLESSのような、人を超越した人工知能によって巻き起こる混乱だったのだが、本作ではその一歩手前、実用段階になった人工知能を中心に「人間とは何か」を問いかける物語だった。

そうは言っても視覚効果賞にノミネートされるだけあって、映像面はすばらしく、そこだけなら満点だ。

ただまあ繰り返しになるが、物語面が物足りず、例えばこれが英国公開当初の2015年に見れたり、プロジェクトスタートの2013年に公開されてたりしたら僕の評価も違っただろう。ただ2016年の今になって見ると、遅かったなぁと。

AIであるとか自我であるとか、アンドロイドであるとか人間であるとか、アシモフの時代から一定のスパンで繰り返し語られる題材だが、僕はこの作品を2010年代のAIの潮流に対して遅れてやってきた良作と受け止めた。ただ遅れた分を補うようなものはなかったのだが。

視覚効果、ロケ地が。音楽がエンディングがなければ☆☆☆なのだが、軽快なロックで台無しにしてくれたので☆☆。物語が☆☆。総合評価☆☆。*1

 

*1:☆☆☆を基準として面白ければプラス、つまらなければマイナスとする

73 - ご報告

Twitter旧アカウントIDが知らない人に取得されたことをここにご報告いたします。

旧IDとは長い付き合いで、約8年を共にしましたが、一身上の都合によりお別れすることとなりました。

世界中を探せば旧IDを欲しがっている人がいるのは知っていたので、いつかはこうなるんだろうな、と思っていましたが、まさかこんなに早く取得されるとは。

注意していただきたいのは新しい旧アカウントIDは僕と無関係なことです。もしかすると僕のフォロー圏内の方が取得した可能性もありますが、その場合は好きに使ってください。

取り急ぎご報告まで。

72 - 艦娘ゲーム(皆月蒼葉/びびび文庫)

艦娘ゲーム(皆月蒼葉/びびび文庫)」を読んだ。

三編の短編とそれらを貫く一編からなる連作短編集。

蕎麦さんが今までしてきた与太話がしっかりとした形を持って発行されたことにまず感動してしまった。当時は「こういうのいいよね……」「いい……」とはなったものの、雑談の中でのことだから細部は曖昧で、各自が勝手に想像するものだった。それが実力を持った人の力で像を結び、重みをもって表現されているのが素晴らしい。

ディティールアップの際に秀逸だなと特に思ったのは最上と日向の話で、行きは下道から湾岸線に入るのは大変に頷くところだった。どの話にしても細部の作り込みが素晴らしく、ともすればチグハグなこだわりになりそうなところを、日々の出来事は実感を伴った生活の匂い、また遊びに出かければ非日常の香りが匂い立っていた。

一番のお気に入りは鳳翔さんが主役のお話。空母の「母」たる側面へのクローズアップが秀逸。目的のために体を売るのを厭わないのいいよね……。

それとネタバレになるけど、艦娘症候群に罹患した子の周囲って漫画サトラレのような感じになるんだろうか? 日向のいる組合に対する一般職員の反応がそれっぽいような気がする。「あれが長官?」というのは多分最上の幻聴で、実際には辻褄が合うように幻覚や幻聴を見続けているんだろう。

そういう考えなので4本目のおかげで無限に不幸な目に合わせられるのもそうなんだけど、それが実際の不幸ではないかもしれないのが救われる。それが本当に救いなのかは難しいところだけど。まあ幸せそうな夕張がいたしいいじゃない。