元祖yajiri

元祖と本家で係争中

75 - こわい話

あれはまだ私が学生だった時分の話です。

その日は友人と朝まで遊んで始発で帰ってきたのでした。

最寄りの駅に到着し、駅前のコンビニで、寝て起きたときにでも食べようと買い物をし、店を出たとき、視界の端に何か赤いものが映ったのが始まりでした。

最初のそれは眠さもあり、さして気にしなかったのですが、しばらく歩くとまたひとつ、またひとつ、ポツポツと赤いものが落ちているのです。

そうしてしばらく家までの道を歩いていると、先程まで落ちていた赤いものが見えなくなりました。

ああ、もう大丈夫なんだな、と安心したのも束の間、自宅と駅の中間にあるコンビニを過ぎたところでまた赤いものが落ちているようになったのです。

駅から自宅まではそこそこ距離があり、その間にコンビニが3軒ほどあるのですが、コンビニからしばらく歩くと途切れ、コンビニを過ぎるとまた落ちている。それの繰り返しでした。

ここまで読んだ方ならお分かりでしょうが、落ちていたのは赤いパッケージのパック酒だったんですよね。

夏になると思い出す、こわい話でした。

 

 

補足として

赤いパッケージのパック酒、軽く調べたら鬼ころしではなく呑かまるのようでした。鬼ころしでも赤っぽいのあるみたいですけど。まあ分かりやすいので鬼ころしということで。

74 - エクスマキナ

エクス・マキナ(2015・英国/アレックス・ガーランド監督・脚本)

☆☆・・・

http://www.exmachina-movie.jp/

人間か、
人工知能か――
検索エンジンで有名な世界最大のインターネット会社“ブルーブック”でプログラマーとして働くケイレブは、巨万の富を築きながらも普段は滅多に姿を現さない社長のネイサンが所有する山間の別荘に1週間滞在するチャンスを得る。
しかし、人里離れたその地に到着したケイレブを待っていたのは、美しい女性型ロボット“エヴァ”に搭載された世界初の実用レベルとなる人工知能のテストに協力するという、興味深くも不可思議な実験だった・・・。

 期待していた方向性と全く違う面白さを提供されたため、私的には低評価。

望んでいたものとしては長谷敏司BEATLESSのような、人を超越した人工知能によって巻き起こる混乱だったのだが、本作ではその一歩手前、実用段階になった人工知能を中心に「人間とは何か」を問いかける物語だった。

そうは言っても視覚効果賞にノミネートされるだけあって、映像面はすばらしく、そこだけなら満点だ。

ただまあ繰り返しになるが、物語面が物足りず、例えばこれが英国公開当初の2015年に見れたり、プロジェクトスタートの2013年に公開されてたりしたら僕の評価も違っただろう。ただ2016年の今になって見ると、遅かったなぁと。

AIであるとか自我であるとか、アンドロイドであるとか人間であるとか、アシモフの時代から一定のスパンで繰り返し語られる題材だが、僕はこの作品を2010年代のAIの潮流に対して遅れてやってきた良作と受け止めた。ただ遅れた分を補うようなものはなかったのだが。

視覚効果、ロケ地が。音楽がエンディングがなければ☆☆☆なのだが、軽快なロックで台無しにしてくれたので☆☆。物語が☆☆。総合評価☆☆。*1

 

*1:☆☆☆を基準として面白ければプラス、つまらなければマイナスとする