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成コミ

47 - 橘さん家ノ男性事情(上原りょう)のAmazonレビューがすごい

 

橘さん家ノ男性事情

橘さん家ノ男性事情

 

同人作品のノベライズが出版されました。同人作品を集めて出版する、あるいは同人作品を原作にアニメを作る、ということは以前から見られ、同人といえど広がりのある時代となっていますが、ノベライズというのは寡聞にして知らず*1、おかしなことをするものだなぁ、と思っていました。

 
原作はえろどーじんを買うNTR好きの間では読んだことはなくとも名前を聞いたことはあるであろう名作、橘さん家ノ男性事情(MTSP/Jin)です。こちらは作者サイトでも公開されており、各種同人誌販売店に在庫がなくても読めるのが嬉しいところです*2
 

みとすぱ - Jin

http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/22/83/040030228327.html

www.melonbooks.co.jp

 
さてそんな本作ですが、僕は原作を持ってるしノベライズわざわざ買うほどでもないなーと思っていて、出版情報を見て「ほう……」とは感心したものの、そのまま忘れ去っていました。
 
それが今になって話題にするのは、読書メーターを眺めていたらおすすめユーザーの読んだ本に表示されたからです。
「そういえばそんなのもあったなー」とAmazonへ飛び、やっぱりAmazonに飛んだらレビュー見るよね……ということで、レビューを見たら☆1レビューが並んでいました。NTR作品で☆1が並ぶということはどういうことか、少し考えればわかりそうなものですが、僕は愚かにも「ははぁ〜ん? さてはMTSPファンに怒られるような雑なノベライズだったな?」と、あくまでも「出来が悪かった」という意味で☆1が並んでると思い、ワクワクしながら開きました。
しかし、実際に見てみるとそこには「イチャラブと思って買ったらNTRだった。騙された。許せない(大意)」という文字列が踊っているではありませんかっ!
 
それを見ても僕はしばらく何が起きているのか理解できませんでした。
「いや、だって、有名なNTR作品じゃん。そんなの、買う前にわかってるじゃん」
そんなことすら浮かぶほど、頭が理解を拒んでいました。
 
しかし、レビューを読み進めていくうちにどういうことか判明したのです。
僕がジュブナイルポルノノベル業界に詳しくないため知らなかったのですが、ノベライズを担当した上原りょう先生はイチャラブ系の作家で、書影やあらすじからは全くNTRとは判別できず、ただの「年上のお姉さんたちとイチャラブする作品」に見えるように作られていたのです。
確かに「その筋」では有名な作品でも、あくまで「その筋」で有名なだけで、知らない人からすると全然わからないのも道理です。
 
☆1が付いている事情を理解すると共に、しかしながら僕は喝采の声を上げずにはいられませんでした。
そうだよ、それだよ寝取られ!!
 
叙述トリックが好きなミステリファンが、叙述トリックと知らずに叙述トリックミステリと出会うことを夢見るように、NTRファンもNTR作品と知らずにNTRと出会うことを夢見ています。
その、最高の、体験を、この作品の読者(の一部)は体験し、怒りのあまりAmazonへ☆1レビューを投げずにはいられなかった。最高じゃあないですか! これこそがNTRファンの臨んだレビューってヤツですよ!!
 
近年、NTR作品はNTRを望まないユーザが手に取らないように住み分けが進み、"それ"と分かるようにパッケージされる時代ですが、敢えてその禁を破り、普通に作れば寝取られを前面に押し出した、ただのファンアイテムになるはずのものを、屈指のNTR作品として再誕させる。
その瞬間を想像し、企画した編集者の邪悪な笑みが目に浮かぶようです。
 
いや、ほんと、イチャラブ好きの人に読んでもらうために、周到に公式サイトや書影なんかも作り、しかし検索すれば気付ける範囲の作品を投げ込んできてて、ただただ感心するばかりです。そしてまたその「検索すればわかる」という位置が、寝取られ作品特有のもどかしさ、背徳感と重なり合わさって、作品だけでなく、それを取り巻く環境すら寝取られの気配を醸し出しています。

ありがとう、フランス書院、ありがとう、美少女文庫


ただ企画の意図としては理解できますけど、美少女文庫作家買いしてるような人がNTRを好きになるわけもなく、悪感情を植え付けただけですよねー。そこのところはどうなんでしょうか?

*1:ひぐらしのノベライズはあったが、テキスト原作のノベライズであり、マンガ原作のノベライズは初耳。

*2:長らく在庫がない時期が続きましたが、ノベライズ出版に合わせて復活した模様